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ジスロマックとクラビットの違い

病原体

ジスロマックとクラビットは、共にクラミジア感染症や淋菌感染症及び淋病など細菌による感染症の治療に効果のある抗生物質ですが、主要な有効成分が異なる事から作用機序が大きく異なります。
ジスロマックは、15員環マクロライド系抗生物質アジスロマイシンを主成分とするタンパク合成阻害薬であり、クラビットはニューキノロン系抗生物質レボフロキサシンを主成分とするDNAジャイレース阻害薬です。
アジスロマイシンは、従来のマクロライド系抗生物質のエリロスマイシンの分子構造に窒素原子を付加した抗菌剤であり、窒素原子を付加した事により感染患部組織に血中濃度の10倍~100倍の濃度で作用する優れた薬物移行性を有すると共に、血中半減期が68.1時間と非常に長い時間医薬効果を持続する事が出来ます。
ジスロマックは、優れた薬物移行性と68.1時間の血中半減期を有するアジスロマイシンに徐放性有する特殊製剤法マイクロスフェアが施されており、クラミジア感染症の治療ならアジスロマイシン力価2gの服用1回で完治可能な抗菌剤です。

ジスロマックは、病原菌の細胞内で構造タンパク質を合成する細胞小器官リボソームの50Sサブユニットと選択的に結合する事で菌の遺伝子情報を移動させるトランスポーターRNAの働きを抑制する医薬効果を発揮し、遺伝子情報が正常に伝達されないない事で病原菌の菌のDNAの複製を阻害し病原菌の増殖を抑制する作用機序を示します。
ジスロマックは、選択的に50Sサブユニットと結合するので40Sと60Sで構成される人間の細胞小器官リボゾームには作用する事が無く、副作用の発生頻度や副作用の重症化リスクが非常に低い抗菌剤です。
しかし、主成分のアジスロマイシンは溶解度を超えると体内で再結晶する特性を有している事から細い細尿管が集まる腎臓で再結晶する事が多く、細尿管の狭窄や閉塞が引き起こされ細尿管間質性腎炎などの急性腎障害を引き起こすので治療中は水分補給を心掛ける必要があります。

クラビットに含まれる有効成分の役割

クラビットやジェネリック医薬品のレボクインは、DNAジャイレース阻害効果を示すニューキノロン系抗生物質レボフロキサシンを主成分とする治療薬であり、クラミジア感染症や淋菌感染症及び淋病など細菌による感染症の治療薬として処方されています。
淋菌は、ジスロマックの有効成分アジスロマイシンに対して耐性を有している菌が多く医薬効果が期待出来ない患者が多い一方で、クラビットやジェネリック医薬品のレボクインの有効成分レボフロキサシンは淋病や淋菌感染症の原因となる淋菌だけでなく、細胞壁の薄いグラム陰性菌や細胞壁の厚いグラム陽性菌に対しても有効であり、ジスロマックよりも多くの適応症を有する治療薬です。

有効成分レボフロキサシンは、2型と4型トポイソメラーゼの2種類のDNAトポイソメラーゼ阻害する事で病原菌の増殖を抑制する医薬効果を発揮し、ジスロマックよりも殺菌的な抗菌作用を有する特徴があります。
有効成分レボフロキサシンは、2型トポイソメラーゼの1種であるDNAジャイレースの働きを抑制する事でDNAの切断及び再結合を阻害すると共に病原菌の増殖の為に遺伝子情報の複製や修復を阻害し、病原菌の増殖を抑制するだけでなく病原菌を死滅に追い込む有効成分です。
また、レボフロキサシンは4型トポイソメラーゼの働きを抑制する事で複製や修復されたDNAの絡まりを修正する作用を阻害すると共に正常なDNAの分配も阻害し、病原菌の増殖だけでなく病原菌を死滅に追い込む2種類の医薬効果を有する治療薬です。
レボフロキサシンは、患部組織での医薬効果を高める為にはより高い成分濃度を必要とする濃度依存型薬物であり、1日に複数回服用するよりは1度に高用量服用した方が医薬効果が高いとされ、クラミジアの治療ではレボフロキサシン力価で500mgを1日1回服用します。

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